鬼怒川の水は何処へシリーズ第1弾 佐貫頭首工から風見発電所〜市の堀・逆木幹線
鬼怒川中部用水
事業概要
国営事業:受益面積89,409ヘクタール 総事業費4,270,000千円  頭首工1ヶ所 用水路延長17,444m
        附帯工8ヶ所 着工 昭和32年7月 竣工 昭和41年3月
県営事業:受益面積 2,841ヘクタール  総事業費 529,582千円  頭首工1ヶ所 用水路延長30,571m
        附帯工3ヶ所 着工 昭和39年4月 竣工 昭和48年3月

佐貫頭首工と受益地域の概要
 日光連山を源とする清流・鬼怒川は、湯西川や男鹿川、大谷川などの支流を集めて県の中央を流れ、
 茨城県守谷町で日本一の大河・利根川へ合流します。 大きな洪水が頻発する鬼怒川から用水を
 引き込んで水田を開いたのは比較的遅く、江戸時代初期(1600年代)であるとされています。
 「佐貫頭首工(堰)」が建設される以前は、鬼怒川の川岸に杭や蛇篭などで造られた9ヶ所の
 用水堰があって、かんがい用水等として役立ってきました。
 鬼怒川の左岸:大宮用水堰、赤沼用水堰、市の堀用水堰、草川用水堰、釜ヶ渕用水堰
 鬼怒川の右岸:高間木用水堰、逆木用水堰、根川用水堰、東芦沼用水堰
 当時の鬼怒川の状況から、洪水時には取り入れ口へ導く堤や堰が災害を受けましたので、
 用水の確保や施設の管理・普請には大変な努力が必要でした。9用水土地改良区の代表者達は、
 五十里ダムや川俣ダムなど洪水を防止するダムの建設が進められるのを契機に、昭和28年「鬼怒川
 中部土地改良区連合」を設立して、佐貫地点から「かんがい用水を安定的に取水する」国営事業を推進
 することとなりました。なお、「佐貫頭首工(堰)と幹線導水路(5,579m)は、送水時に生まれる落差エネ
 ルギーを風見地点で発電(最大10,200kw)に利用するため、栃木県企業局の発電事業との
 共同施設として建設されました。

かんがい施設の管理運営
 かんがい施設の管理運営を目的に設立された鬼怒川中部土地改良区連合は、現在次の5つの
 土地改良区で組織されています。
 鬼怒川左岸:塩谷町大宮・赤沼用水・鬼怒川東部・釜ヶ渕土地改良区
 鬼怒川右岸:西鬼怒川土地改良区

事業名 国営鬼怒川中部地区農業水利事業
 工期 昭和32年度〜昭和41年度 総事業費 42億7千万円
 農業側の費用 24億5千万円 受益面積 8941ha
 取水量 最大時:42.0m3/s
 主要工事 佐貫頭首工(堰) 1式 全長 203m  幹線導水路(共用区間) 5,579m  
 幹線水路(専用区間) 14,938m うち東幹線水路 13,104m
        西幹線水路 1,834m  うち逆木サイフォン 807m
関係地域2市7町
 鬼怒川左岸:塩谷町、氏家町、高根沢町、芳賀町、市貝町、真岡市
 鬼怒川右岸:上河内町、河内町、宇都宮市

平成15年3月 鬼怒川中部土地改良区連合


鬼怒川佐貫頭首工で左岸から全面取水された水は風見発電所で分水される。左岸が市の堀用水で松川と合流し、
 松川として氏家方面に南下する。氏家町で草川として分流、一部は国道4号線を横断し、高根沢方面へ(野本川)。
 もう一方は勝山城跡公園の西側で鬼怒川に合流する。市の堀用水は更に東南下し、分流し五行川へ、
 もう一方は真岡市君島で小貝川に合流する。
・風見発電所で分水されたもう一方の幹線が逆木幹線用水で、上平左岸上流の放流工で一部鬼怒川に
 放水(逆木放水)される。(前山建材付近)。
 逆木放流工で分水されたもう一方は放流工下流100m鬼怒川左岸堤防外付近でサイホンで鬼怒川の河床下を
 一気に右岸までもっていかれる。逆木幹線=西鬼怒川の始まりである。分流し田川に排水される流れと、
 西鬼怒川として岡本橋上流右岸で鬼怒川に合流する。
・佐貫で全面取水された水は一部上平左岸上流で、松川から草川に分流し、氏家勝山城跡西で鬼怒川に
 戻っていました。が逆木放流工は一定以上の水嵩で放流される構造で、平水時は多くは放流されないと
 思うが、一部鬼怒川に戻る。
・逆木幹線の水は西鬼怒川、田川を介して全量、鬼怒川に戻るものと考えられる。
・市の堀幹線の場合は草川用水の一部のみ氏家勝山跡城付近で鬼怒川に戻るのみで、他は野本川、五行川、
 小貝川に排水されるものと思います。
家付近が鬼怒川東側の分水エリアになっているようで、近いうちに
 野本、五行、小貝各河川への流入を確認したいと思います。
                                                         2003/08/14 管理人

鬼怒川水量流量概念図:佐貫頭首工から下流の鬼怒川3大堰の水利用後の鬼怒川本流の水量概念である。
岡本頭首工の両サイド取水開始で、宇都宮地区の流量が激減したことが分かる。3堰以外にも小さい取水口や、
逆木、草川、西鬼怒川、田川以外にも小さな流入はあると
思われるが、大勢に影響ないと考える。
栃木県内農業水利施設
河 川 名
施  設  名
最大取水量
(m3/s)
3堰計最大取水量(t/s)
鬼 怒 川

勝 瓜 頭 首 工
岡 本 頭 首 工
佐 貫 頭 首 工
18.95
12.236
42.0
73.186(利根大堰の78.915t/sに匹敵します)